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愛媛の企業が開発した「海の中でも分解されるレジ袋」って?

海中分解 ビニール袋

海洋汚染の原因の1つであるレジ袋が、日本でも7月から有料化

死んだ魚や鯨の体内からプラスチックごみが出てきたというニュースを、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?不法投棄などで海に流れ出てしまったプラスチックごみは、そのまま海を漂い続け地球を汚染します。

レジ袋は海洋汚染の原因として指摘を受けており、昨年の「G20大阪サミット」では、2050年までに「海洋プラスチックごみゼロ」を目指すことが決まりました。
それを受けて、日本でも2020年7月からレジ袋の有料化が実施されることに決定。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの小売店で、レジ袋が有料になります。
筆者の近所ではまだ見かけませんが、既に有料化を始めているお店も現れているようです。

四国中央市の企業により、海の中でも分解されるレジ袋が開発

レジ袋削減への取り組みが遅れているとされる日本でも、実は過去に禁止の動きがありました。
しかし、スーパーなどの業者やレジ袋のメーカーにとっては売上に影響が出てしまうため、反対があって実現しなかったのです。

そうした中、愛媛県四国中央市にあるレジ袋メーカーの福助工業が、群馬大学との共同研究により、海中で分解するレジ袋「エコレックス」の開発に成功しました。
サトウキビ、トウモロコシなどの植物由来の樹脂が原料のこのレジ袋は、海の中では半年で9割が水と二酸化炭素に分解されます。



出典:福助工業株式会社 エコレックス

土で分解できるプラスチックは既にあったものの、海では土壌に比べると微生物が少ないために難しいとされていたため、今までになかった製品なのです。専門機関から認証を受けると、海で分解可能なレジ袋は世界初となり、海外でも愛媛県の企業の製品が使われるかもしれません!

福助工業は、1910年創業の老舗企業で、レジ袋の国内シェア率6割以上を誇る最大手メーカー。
レジ袋の削減にともなって需要が減る中、300種類の試作を重ね、海で分解できる今回のレジ袋を開発しました。

海で分解されるレジ袋は、有料化の対象外になっている

海で分解可能な福助工業のレジ袋は、地球に優しいことから今度のレジ袋有料化でも対象外となるそうです。
他に対象外になるレジ袋には、繰り返し使える厚手のものや、CO2を増やさないバイオマス素材のものがあります。



出典:プラスチック製買物袋有料化 2020年7月1日スタート(METI/経済産業省)

これらのレジ袋を取り入れて無料で提供を続けるお店と、有料に移行するお店。あなたはどちらで買い物をしますか?

まとめ

福助工業のレジ袋は、今年7月にレジ袋が有料化されると同時に販売されるそうなので、私達が利用できる日も近いかもしれません。愛媛県の企業が、世界の環境汚染の改善に貢献するかもしれないと思うとすごいことですよね。

一方、ごみそのものを減らすことについて考えなくてはいけない時期が来ているのは確か。
ヨーロッパ各国では既にレジ袋が有料化され、マイバッグの持参が一般的になっています。今度の有料化を機会に、私達も自分が日々使うレジ袋について見直すのはいかがでしょうか。