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6月5日(月)まで!「細見美術館名品展」に行ってみた

鑑賞

4月22日より愛媛県美術館で「~若冲、琳派、かざりと雅~細見美術館名品展」が開催されています。

近年大きな高まりをみせている伊藤若冲や琳派の作品が松山にやってくると聞き、開催直後に行ってみました!

こちらではその魅力をお伝えします!

独創性に溢れた唯一無二の天才絵師「若冲」、洗練されたアート集団「琳派」



出典:若冲、琳派、かざりと雅 京都・細見美術館名品展(会期:4/22~6/5)|チケット販売|愛媛CATV

まず「琳派、若冲って?」という方のためにごく簡単に説明を。

「若冲」とは江戸時代に京都で活躍した孤高の天才絵師・伊藤若冲。

大胆な構図に鮮やかな色使い、伸びやかで精緻、卓越した描写力を併せ持った天才で、「群鶏図」や「動植綵絵」など、一目見て強烈な印象を与える絵を数多く残しています。

昨年東京で開催された生誕300年記念展では、なんと入館待ち時間が320分!

幅広い世代からの高い支持を受け、一大ブームとなっているんです。

一方「琳派」は桃山時代に始まり江戸時代まで続いた流派で、創成期の俵屋宗達から、それぞれの時期にスター性のある絵師が現れ、個性を持ちながらも「琳派の美意識」はしっかりと継承されていきました。

煌びやかな色彩や、繊細であでやかな筆、華やかなのに奥ゆかしさを感じさせる花鳥風月を中心とした絵画は美しく、女性を中心に多くの愛好家がいます。

若冲と琳派、絵の趣きは異なるものの、どちらも万人から長く愛される確かな美を備えた素晴らしい日本美術なんです。

日本美術の教科書とも言われる細見美術館

今回は、「若冲」「琳派」の作品、そしてその他の名品を収蔵している細見美術館についても少しだけご紹介しますね。

細見美術館は美術館が集中している京都のアートスポット・岡崎にあります。

日本の美術工芸のほぼすべての分野と時代を網羅している豊富なコレクションと、若冲や琳派の日本画、水墨画や茶釜・七宝工芸などその分野において屈指のコレクションで知られている私立美術館。

中でも若冲・琳派のコレクションには名品も多く、四国でこれだけの作品をまとめて鑑賞できる機会は極めて少ないと言えるでしょう。

細見美術館の名品たち



出典:細見美術館 開館10周年 記念展 LUCKY RIVER NEWS

館内ではコレクションを時代、種類ごとにカテゴリーに分けて展示されていて、ボリュームとしてはやはり注目後の高い若冲・琳派の絵画が多く、仏教に関するものや京都ならではの茶の湯に関連したコレクションも興味深いです。

日本建築の建具に欠かせない「かざり」(襖の引手や屏風の金具など細かい金属加工品)などには細密な装飾が施され、昔の日本の職人が魂を込めた手仕事を見ることができます。

若冲の作品から感じられる凄みや、鈴木其一や酒井抱月の計算されつくした余白など、見ていて飽きませんでした。

さらに新しい発見では、近代琳派や近代デザインの先駆者と言われる神坂雪佳。

実は以前細見美術館を訪れた時はそこまで深く印象に残っていなかったのですが、今回の展示を見ると非常にモダンな印象を受け、素晴らしかったですよ。

まとめ

今回の企画展では展示物の一部入れ替えがあります。

後半は大きく垂れ下がる美しい藤が圧巻の「藤花図」などの展示とあって、再度訪れる人もいることでしょう。

着物で行くと前売料金になる「キモノ割(他割引きとの併用は不可)」もありますので、梅雨入りの前に着物好きなお友達や恋人と美術館デートなんていうのも素敵ですね。

開催から多くの人で賑わった「~若冲、琳派、かざりと雅~細見美術館名品展」ですが、開催期間は2017年6月5日(月)までと残り少なくなっています。

世界中から熱い視線を集めている日本の誇るべき作品群を、この機会に目にしてみてはいかがでしょうか。