今や身近な支払い方法として、社会に浸透してきたクレジットカード。
クレジット=信用に基づく支払いシステムは、実は愛媛県今治市にルーツがあると言われています。
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今や身近な支払い方法として、社会に浸透してきたクレジットカード。
クレジット=信用に基づく支払いシステムは、実は愛媛県今治市にルーツがあると言われています。
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愛媛県今治市には、「月賦販売発祥記念の碑」という石碑があります。
その名が示す通り、実は今治市は月賦払い、つまり一括払いではなく分割払いによる支払方法が初めて行われていた土地とされているんです。
江戸時代末期、今治市では桜井で生産される「桜井漆器」が人気でした。
今治商人達は船に桜井漆器を載せて、瀬戸内海沿岸や大阪、九州と、西日本一帯に漆器を売りに出かけます。
しかしこの桜井漆器は高価だったため、すぐにお金を払えない人々に対して月賦払いが採用されるようになりました。この今治商人達の行商から、月賦払いが世の中に広まっていったと言われています。
月賦払いは、現代のクレジットカードにつながる支払い方法。
その場で支払うのではなく信用によって後払いを可能にすることで、人々は欲しい物を手に入れられるようになり、売り手にとっても商売のチャンスが広がったのです。
出典:意外と知らない?日本最初のクレジットカードとその歴史 | クレジットカード大学
記念の石碑が建っているのは、愛媛県今治市の桜井6丁目。
JR予讃線の伊予桜井駅から約1kmの所にある、綱敷天満(つなしきてんまん)神社の境内にあります。
石碑の内容を見てみると、
「櫻井漆器の販路開拓を目指す多数の帆船が遠く九州中國近畿等の地に活躍した椀舟と呼ばれたこれらの船行商の殆どが分割擴の便法を用いて販路の擴大に成功した」
記されています。
石碑自体は昭和38年(1963年)に建てられており、月賦の始まりにも諸説あるものの、日本において江戸時代の伊予商人達が月賦払いを普及させたのは確かだそう。
海外でもクレジット商法が生まれる前から月賦払いが見られており、それぞれの国に歴史的背景があるんですね。
ちなみにクレジットカードの発祥国はアメリカで、ダイナースクラブと言う会社が初めてクレジットカードを発行。
その後1961年、日本でもダイナースクラブがアメリカと同等の審査基準をもって、富裕層をターゲットに日本でクレジットカードの発行を開始しました。
少し遅れて、現在のJCB(旧:日本クレジットビューロー)が、クレジットカードの発行を始めています。
当時のJCBのクレジットカード審査基準を見ると、中小企業の経営者、上場会社の部課長、官庁の課長以上が対象となっており、やはり富裕層のみが相手でした。
今では多くの場合クレジットカードを作成でき、一般市民にも信用が普通に与えられていると考えると感慨深いものがありますね。
出典:椀舟最中|愛媛県今治市にある和菓子屋「愛媛・今治 一福百果・清光堂」
石碑中に書かれている「椀舟(わんぶね)」とは、桜井漆器を運搬していた帆船のことです。
桜井の老舗和菓子屋さん「清光堂」では、今治の歴史を伝えるべく、椀舟を模した最中が販売されています。
昔の舟の形をした最中はとってもかわいいですね♪
小豆は北海道の「しゅまり小豆」を使用しており、第16回「全国菓子大博覧会」金賞も受賞したことのある最中です。
オンラインショップでも購入できるので、お家でお茶と一緒に召し上がるのはいかがでしょうか♪
クレジット商法のルーツである月賦販売が、今治市で初めて行われていたとは驚きでした。
歴史的な商人の地・今治を訪れたら、「月賦販売発祥祈念の碑」を見学したり、伊予桜井漆器会館を訪れたりして、愛媛の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
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