「やまじ風」という言葉をご存知ですか?
愛媛県の東予地方限定で吹く“局地風”のことなんです。
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「やまじ風」という言葉をご存知ですか?
愛媛県の東予地方限定で吹く“局地風”のことなんです。
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「やまじ風」とは、愛媛県の東部にあたる四国中央市、新居浜市、西条市で起こる南寄りの強風のことで、
山形県東田川郡庄内町清川付近で吹く夏の局地風「清河だし」岡山県北東部にある津山盆地にふく北よりの局地風「広戸風(ひろとかぜ)」と並んで、日本三大局地風の一つに数えられています。
やまじ風が起こる要因は、日本海を低気圧の中心が通るとき四国山地に南から吹く強風。
この強風が石鎚山系の山脈と剣山系の山脈にある「鞍部(あんぶ)」と言われる、山脈と山脈の間にある標高が低くなった場所に集まります。
愛媛県東部では、この標高が低くなった場所は法皇山脈にあたるため、ここに風が収束して反対の北側の急斜面を一気に吹き降りることによって発生するんです。
これは、山地から一気に吹き降りるときに気温が上昇する「フェーン現象」と同じ原理。
東部の予想気温は新居浜市のものが用いられますが、やまじ風が吹くときは、北側に位置する四国中央市の気温は新居浜市と比べて5〜8度も上昇すると言われています。
やまじ風は「ただの風」とは侮れない存在。
2007年5月には、四国中央市内の92カ所で計1.3億円もの農業被害があり、新居浜市では電柱が倒れるなどの被害も起こりました。
やまじ風の発生は春先の3~6月と9・10月辺りに多く、この時期になると「やまじ風警報」が放送されるなど、エリア内各所で対策が行われます。
車での通行速度が制限され、移住してきた方が知らずにビックリすることもあるんだとか。
強風予報発生時には防災有線告知システムを登録していれば、市役所からの警報発令の連絡をメールで受け取ることができるんです。
誰でも登録できるので、四国中央市などに行く用事があってやまじ風が怖い方や、移住を考えている方は事前に登録をおすすめします。
四国中央市にある「やまじ公園」はやまじ風にちなんで名づけられた公園。
公園内にはやまじ風を利用したモニュメント「風のホルン」も設置されています。
やまじ風がふく方向に風を取り入れる先があるので、ホルンから自然のメロディーを聞くことができるというものなんです。
さらに「ローラーエクスプレス」という全長約105mのすべり台も。
ローラーのすべり台なので、段ボールなどお尻を守るものを持っていくのがおすすめですよ。
他にもターザンのように移動できる遊具や、小さいお子さんも遊べる遊具もあり人気の公園なんです。
やまじ公園
愛媛県四国中央市土居町畑野1637
定休日:無休
同じ愛媛県内でも、東予以外では知らないという方も多いんです。
私は愛媛県の南予出身なので、日本三大局地風が東予で吹くことを初めて知りました。
被害も多いやまじ風ですが、風を活かしたオブジェを作る機転の利かせかたは素敵ですよね。
自然現象は避けられないもの。予報をチェックして正しく対策することが大切です。
春・秋に東予エリアへお出かけの際にはやまじ風警報放送に注意しましょう。
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