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愛媛出身のプロハープ奏者古佐小基史さんインタビュー~後編~

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愛媛出身のプロハープ奏者古佐小基史さんのインタビュー後編です。 今回は、アメリカに活動の拠点を置き、コンサートで日本各地を見てこられた古佐小さんが思う「愛媛の魅力」や、ハープへの向き合い方に迫ります。

▼前編はこちらをご覧ください▼

古佐小基史さんは愛媛県松山市出身。現在はアメリカのカリフォルニア州サクラメントを活動拠点としている。
ハープの演奏技術はほぼ独学で習得。
2007年の「Lyon-Healy Jazz & Pop Harp Competition」において、日本人としては初めてペダルハープ部門で二位に入賞。

アメリカのハープ専門誌「ハープコラム」ではアドリブの技術で高い評価を受けている。
活動拠点のアメリカはもちろん、日本でもコンサートを行うなど世界を舞台に精力的に活動している。

参考:古佐小 基史(こさこ もとし)

愛媛は「ミニ・ジャパン」

――アメリカにいらっしゃるからこそ、見えてきた愛媛の魅力はありますか?

愛媛の方って愛媛の魅力を過小評価している方が多いですよね。
「愛媛に何見にくるんかいね。」「なんもないところやのに何しにくるん。」みたいな。
でも、僕は海外から戻ってきて、コンサートなどで日本のいろんなところを旅してきたんですけど、
海外と日本国内のいろんなところと比べると、やっぱり愛媛はすごく魅力的な場所だって気づいたんですよ。

観光に来る方にとって愛媛の魅力になる部分っていうのは、日本の風物的なものが味わえるということだと思うんです。

愛媛には、石鎚山もありますし、瀬戸内の離島の風景もあります。
食べ物だって山のものから海のものまで全部そろっていますよね。
お土産だって、地酒から、真珠などの高級工芸品、今治タオルまでいろいろあります。
スピリチュアルな部分では、四国八十八ヶ所の霊場なんかもありますよね。
歴史的な建物を見たいのであれば、道後温泉やお城も。特に松山城は日本有数のお城のひとつじゃないですか。

それと、愛媛という1つの県の中でも、地域によって文化が少しずつ違うところも魅力だと思いますね。
例えば食べ物。東予地方・中予地方の鯛めしと南予地方の鯛めしは違いますよね。あとはお祭りなんかもその地域特有のものが見られますし。

そういう風に考えると『ミニジャパン』なんですね。愛媛は。
ここに来れば、他の県に行かなくても日本らしいものがほとんど何でも見られるわけです。
小さいからこそ、1週間ぐらいの滞在期間で海から山、島まで全部みることができる。そこが愛媛の最大の魅力じゃないかと。
だから海外の方にコンパクトに日本を紹介するツアーを組むんだったら愛媛がいいと思うんですよね。

――愛媛の新しい魅力ですね!

愛媛ミニジャパン構想!

――DO?GO!愛媛を作っていくうえで重要なヒントを頂けたような…。広い視点で見ることが大切ですね。

そうですね。全体を見ることが大切だと思います。
初めて日本に来る外国人観光客の方はまだ日本を知らないわけです。そうすると、地元の人は、「京都の清水寺に比べると小さい」と思う愛媛のお寺だって、彼らは「素晴らしい!」と感じるわけですよ。
松山城だってそう。愛媛の人は「姫路城には負ける」と思っているかもしれませんけど、初めて来た方にしてみれば「おおっ!」ってなるんです。
他県と比べちゃうと負けてしまうかもしれないけど、愛媛には90点ぐらいの魅力的なものが沢山あるんです。凝縮されているんですよ。だからそこがやっぱり愛媛の強みですね。

愛媛に帰省したとき必ず立ち寄るのは「温泉」

――愛媛に帰省された際に必ず立ち寄る場所はありますか?
もともと道後に長く住んでいたんですよ。なので、道後界隈は必ず行きますね。
道後に住んでいた頃には、家のお風呂に入るよりも温泉に通っていました。
今でも、道後温泉につかったり、伊佐爾波神社のあたりから商店街まで歩いたりします。

実は、お風呂がすごく好きなんです。こどもの頃から。
だから最近は「そらともり」で半日くらいゆっくりもすることもありますね。コンサートまでの空き時間でキスケの湯にも行くこともあります。
お風呂にすぐ入れるように、車にタオルをおいているんですよ。

最も思い入れのある曲は?

――たくさん曲を作っていらっしゃいますが、特に思い入れのある曲はありますか?

何曲かあるんですが、自分の世界観や音楽観みたいなのものが表れている曲としては、「Foxing Hour」でしょうか。
僕が住んでいるカリフォルニアの山奥の自然の雰囲気とか、そういったものを反映させた曲です。
パッと聴いて聴きやすい曲になっているんですけれども、まあまあ複雑なんですよね。

▼「Foxing Hour」が収録されているアルバムはこちらから購入できます▼

「分かりやすい音楽をわかりやすく書く」っていうのはわりと楽なんですが、表面的にわかりやすくなっているけれど奥行きのある曲にするっていうのはわりと難しくて。
奥行きのあるものを作ろうとすると、表面的にも小難しい曲になっちゃうんです。逆に簡単な美しいものを作ろうとすると構造も割と単純になってしまって、薄っぺらくなってしまう。
そのどちらかになりがちなんですけど、この曲は割と両方のバランスがよくとれている曲だなと思います。

だから、複雑な割には皆さんの心に残る曲になっているかなと。
そういう意味では自分の作品の中では「Foxing Hour」が代表的な作品なのかなと思っています。

――本当に風景が思い浮かぶような曲ですよね。

微妙にいいんですよね。ど派手ではないんですけど、しんみりした感じでね。
僕は、音を聴いて心の中に情景とか感情、情緒がふっと浮かび上がるような曲が好きなんですよ。
そういう意味でもバランスのいい曲になったのかなと思いますね。

今後の展望について

――今後の展望について聞かせてください。

基本的に演奏活動は継続していきたいと考えています。
今取り組んでいるのは、まったくのゼロから即興演奏をしていく、ということです。
あとは、グループでの演奏も増やしていきたいですね。
今はマリンバ演奏者の方とデュオをやったりしているのですが、もっと複数のアーティストと一緒にできるようなプロジェクトもしたいですね。

それと、今年か来年を目途に、ハーピストの方を招いてフェスティバルを開催したいなと思っています。
わかりやすく言うと音楽プロデューサーみたいなものをやってみたいなと。

あともう1つ、アメリカでハーピストを集めて、ハープの合宿のようなものを行いたいなと思っています。
アメリカの自然の豊かな田舎に住んでいて、近くに結構ちょっと別荘のような古い建物があるんですが、そこが民泊施設になっているんですよ。
そこで、ハープの演奏や作曲を僕が教えて、合宿が終わるころには皆さんに1曲書いていただく。
ハープを教えるだけではなくて、朝ごはん、ヨガ、瞑想、ウォーキングなど、音楽家として生活の中に取り入れたら音楽活動や生活自体が豊かになるようなメニューを皆さんに紹介したいなと。
健康的な有機ご飯などを3食食べて、音楽鑑賞をする時間や詩を読んだりする時間をとって、クリエイティブな気持ちを高めていけるような合宿をできるといいなと思っていますね。

――楽しそうですね!

良さそうでしょう。そこの民泊施設が40ヘクタールくらいあるんですよ。
松山城の敷地より広いかもしれないですね。湖があって野生のシカが出ることも……そんなところで合宿すると、なんかいい曲ができそうでしょう。

――あまり知識はありませんが、そんな素敵な場所ならできそうな気がしてきますね。

そうでしょう。知識のない方が自分の感性で曲を作れるようなセミナーをやって。最後はみんなで発表会とかバーベキューとかしたりしたいなと。
思いつめてやるのではなく、ゆとりの中でやるといいのではないかなと思うんですよ。

古佐小さんにとってハープとは?

――最後の質問になりますが、古佐小さんからみたハープの魅力、そして古佐小さんにとってハープというのはどういうものなのかを教えていただけますでしょうか。

実際に指先で弦に触れて音を出すので、「こういうふうに音を出したい」、「感情や情景を伝えたい」、という気持ちが割とダイレクトに楽器に伝わるんです。
逆に言えば、それを上手にできないときに変な音が出てしまう。すごく繊細な楽器なんです。そこがハープの魅力ではないかと思います。

演奏家、作曲家の立場としては、新しいことを発見できる余地があるというのも魅力のひとつだと思います。
ハープの歴史は割と浅いんです。得にモダンなハープでいうと150年くらいしか歴史がなくて、ヴァイオリンなどと比べるとすごく歴史が浅いんですよ。
いろいろな分野で掘り下げて使い切られていないからこそ、色々な音楽の可能性を実現できる余地のある、発展性のある楽器かなと。

「自分とってハープとは何か」ということですが、僕は「ハープが人生の全てではない」ということを念頭においています。
だからといって、いい加減にやっているわけではなく、思いつめたり、それだけに1点集中しないようにする、ということなんです。

音楽っていうのは楽器で音を出すというだけではないんですね。
背景にどういった思想や思いがあって、音楽で何をしたいのか、つまり音に一体何を期待しているのかというところを考えることも重要だと思っています。
「聴いた人に喜んでほしい」という思いがあったとして、どのレベルで喜んで欲しいのか。
単に聴いて楽しんでもらうレベルの音でいいのか、聴いた人の魂の中にまで入りこんで、感動させて、人生や物の感じ方を変えてしまうような、そんなレベルまで音を深めたいのか、色々な側面から考えることが大切なんです。

音は深めるためには、ただ楽器にだけ向き合うではなくて、いろいろなことに興味を持って知っておく必要があるんですよ。
だから僕は、子育てやDIYなどハープ以外の色々なことに興味を持ったり、動物を屠殺して食べたり、そういうところまでやっています。
人間が生きるってどういうことなのか経験して、全部を知りたいと思っているんです。

そういう意味では、僕にとってハープは「人生の様々な経験の中の1つ」なんです。
すごく大切な……特別なものなんですけど、これがなかったら生きていけない、というふうにはならないようにしていますね。

他に経験できることを著しく制限してまでハープに優先権を与える必要はないんです。
逆に言うと、他のことをやっているほうがハープって上手になるんですよ。

――そうなんですね…!

ハープを演奏するってどういうことかというと、「必要な時」に「必要な動作」を「必要な心」ですることなんです。
そのトレーニングをするためにハープの前に座っている必要はないんですね。

例えば食器を洗うとき。右手でスポンジを持って皿を洗うことは、右利きの人なら何も考えなくてもできますよね。
それをあえて左手でやってみると、すごく意識的にやろうとするんです。
いつもの動作でも左右を変えるだけで、ハープで新しいことをやっているときに必要な集中力や動作に対する注意力が同じように要求されるんですよ。
そういう日常の中で割と簡単にできることも、ハープのトレーニングになるんです。

――そういったトレーニングをされているのですね。

日常生活の中でそういうトレーニングをしていれば、自ずと楽器を弾くときに必要とされる能力が訓練されます。それを楽器の前でやればいいんです。
僕は、ハープの前にずっと座って弾いていたから色々なことができるというよりも、全く関係ない新しいことをやっていく中で勘が生まれてきたと思っています。

他の方が絶対やらないけれども、物理的には可能だよな、と思うことをとりあえずやってみる。
最初はもちろんできないですけど、練習しているとできるようになります。

新しい視点で楽器を演奏するには、楽器以外のことをたくさんやってみるということも必要なんです。
ただ、そういう教育をする音楽の先生は少ないですよね。
色々やっていると「器用貧乏だ」と言われたり「1つのことに集中しなければならない」と言われたりしますが、本当はいろいろやってみるのがいいと僕は思います。

まとめ

古佐小さんの楽曲はオフィシャルHPで試聴できる他、amazonでも購入することができます。
まさに人生観が変わるような素敵な音色ですよ。まだ聴いたことがないという方は、ぜひ聴いてみてくださいね。

古佐小さんにサインを頂くことができました!

こちらのサイン色紙を抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は下記のフォームよりご応募ください。
※当選者の発表は色紙の発送をもって代えさせていただきます。
※応募締め切り:2018年4月19日

サイン色紙プレゼントの募集は締め切らせていただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました

古佐小基史(こさこもとし)
1971年生まれ。愛媛県松山市出身。
高校生の頃にエレキギターと出会い、東京大学医学部に入学後はジャズギターにのめりこんだ。
ジャズ・ギタリストとしての限界を感じていた頃、ハープと出会う。
ギタリストとしての経験をもとに「ジャズ・ハープ」の演奏をほぼ独学始める。
2007年の「Lyon-Healy Jazz & Pop Harp Competition」において、日本人としては初めてペダルハープ部門で二位に入賞。
アドリブの技術が高く評価されており。アメリカのハープ専門誌「ハープコラム」でも高い評価を受けている。
活動拠点のアメリカはもちろん、日本でもコンサートを行うなど世界を舞台に精力的に活動している。

ホームページ:http://www.harpmusician.com/

Special thanks

オフィス ナテュレ代表・藤山健さんにご協力いただき、今回のインタビューを実現することができました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。

藤山健……オフィス ナテュレ代表/プロジェティスタ。愛媛県にカフェが無い時代から地域密着型カフェ「ナテュレ」、「ブルーマーブル」を展開した愛媛の「食」の先駆者。
SCAAアメリカスペシャリティコーヒー協会カッピングジャッジ(コーヒー鑑定)や農林水産省6次産業プランナーとして活躍、松山市の調理製菓専門学校では講師も務めている。
現在では、人と人、地域と地域を繋ぎ、食だけに留まらない愛媛の魅力を世界中に発信している。
オフィス ナテュレ-Facebook: https://goo.gl/yBY9G7

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この記事を書いた人: DO?GO!愛媛編集部
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